#35 時間と弛緩
大学生の頃は大量に自由なジカンがあった。
そこにあるジカンは食べ放題だった。
そんな夢のような状況に自分がいることを頭ではわかっていた。
でも、あまりにも大量で、このジカンをどう調理しようか、どのジカンから食べようか。
そんなこと考えているうちに、食べ放題の時間は終わっていた。
気づけばコースメニューでしか堪能できないジカンが目の前にあった。
既に調理されたジカンが、淡々と提供される。
確かにジカンの料理方法に悩まなくていい
というのはラクだ。
レシピを考えることも、材料を揃えることもしなくていい。
でも、ジカンを自分で調理できるようにならなければ、いつまで経っても自炊できるようにはならない。
自給自足を試みなければならないんだと思う。